不動産評価は適正なのか(みんなで大家さん成田シリーズ)
「みんなで大家さん成田シリーズ」の問題は、本質はとても、シンプルです。 すなわち、 「みんなから集めたお金で買う不動産の値段が、本当に適正なのか?」 という問題です。 「みんなで大家さん」は、出資者から資金を集め、そのお金で不動産を購入し、その不動産から得られる賃料を分配する仕組みである。
したがって、出資者にとって最も重要なのは、「どんな不動産を、いくらで買っているのか」だ。 なお、訴訟においては、都市総研インベストファンドは、「まずは、自分たちの資金で買ったものについて、後で出資者に出資を募っている。だから、出資者のお金で買ったものではない」などという詭弁を主張している。実質的には、出資者のお金で買っているのであって、呆れた主張だ。
もし、相場よりも高すぎる価格で不動産を買ってしまえば、その時点で投資は不利になり、将来の分配にも大きな影響が出るからだ。 ここで問題となるのが、不動産価格の決め方である。 本件では、収益還元法(直接還元法)が前提になっています。 この方法は、「この不動産はいくら稼げるのか」から逆算して価格を決めるものです。
つまり、不動産の賃料が高ければ不動産価格も高くなり、賃料が低ければ不動産価格も低くなる。 したがって、賃料が適正かどうかが、価格の適正性を決める最も重要なポイントになる。
しかし、本件では、「その賃料が開発業者であるSPC(成田ゲートウェイプロジェクト株式会社)によって提案され、都市綜研インベストファンドはそれをそのまま受け入れた。賃料の相当性を裏付ける資料は都市総研インベストファンドにはない。SPC(成田ゲートウェイプロジェクト株式会社)が保有している」と都市総研インベストファンドは、訴訟上主張している。
これは、言い換えれば、「価格の前提となる賃料について、自分たちはきちんと確認していない」ということにほかならない。
さらに、問題なのは、そのSPC(成田ゲートウェイプロジェクト株式会社)が、同一グループの会社である点である。すなわち、共生バンクの100%子会社である。
つまり、賃料を決める側も、その賃料を前提に不動産価格を決める側も、同じグループに属している。 その結果、「まずグループ内で賃料を決め、その賃料を基に不動産価格を計算し、その価格で不動産を売買する」という流れが成り立ってしまっている。
これは、普通の市場の論理で決まった不動産価格ではなく、グループ会社内部の都合で作られた不動産価格であることを意味する。 にもかかわらず、その不動産は出資者から集めたお金で購入されている。
つまり、出資者は「適正な価格で不動産を買っている」と信じてお金を出しているにもかかわらず、実際にはその不動産価格の前提となる賃料すら十分に都市総研インベストファンドは、検証していないということなのである。
結局のところ、本件は難しい評価手法の問題ではなく、 「人のお金で買い物をするのに、その値段が本当に妥当かをちゃんと調べているのか」 という、ごく基本的な問題に帰着する。 これを確認せずに購入しているのであれば、それは投資商品として極めて重大な問題であると言わざるを得ない。 これは会社だけの問題ではなく、会社の役員の個人責任も問われなければならない話だ

