みんなで大家さんに関する訴訟提起のご相談
みんなで大家さんの件について、「いまから訴訟を起こすべきか」というご相談が多く寄せられています。
弁護士として率直に申し上げれば、本件は単なる投資判断の問題ではなく、資金の流れと取引構造に深刻な不透明性がある事案であり、法的に正面から向き合うべき段階であると思います。回収不能のリスクはつきまとうものの、何もせずに待っていても何も状況は変わりません。
本件では、出資者の資金で取得された不動産が、都市総研インベストバンクから都市総研インベストファンドへ売却されています。出資者のお金が購入代金に充てられております。 そして、両社の代表取締役は柳瀬健一氏で同一人物です。
さらに、都市総研インベストバンクは都市総研インベストファンドの100%親会社という関係にあります。 これは単なる「別法人」などという形式論で切り離せるような関係ではなく、実質的には一体として把握される会社です。
訴訟の中では、都市総研インベストファンドが購入した金額については、明らかにしているものの、最も重要な「いくらで仕入れたのか」という価格の流れについて、「知らない」(不知)とする対応がなされています。 しかしながら、同一代表・100%親子会社という関係にありながら、取引の根幹である仕入価格を把握していないなどということは、実務の常識からして考えられません。
これは明らかに知っているにもかかわらず意図的に開示を避けているにすぎないと評価せざるを得ません。さらに言えば、その態度は、事実の解明を遅らせ、時間を稼ぐことを目的としたものと見るのが自然です。 このような対応は、出資者に対する誠実な説明とは到底言えません。
むしろ、出資者の資金によって成り立っているスキームであるにもかかわらず、その資金の使われ方の核心部分について説明を拒み続けるという点で、強く非難されるべき態度であると言えます。 もちろん、訴訟にはリスクがあります。回収に至らない可能性も現実に存在し、時間や労力の負担も無視できません。
しかし、それでもなお強調すべき点があります。何も行動しなければ、回収の可能性はゼロのまま固定されるということです。 一方で、行動を起こせば、少なくとも訴訟上の制度を利用し、事実の開示を迫り、資金の流れを明らかにし、回収に向けた道筋を切り開く可能性が生まれます。 実務の感覚からすれば、これだけの事情が揃っていながら、なお多くの出資者が何もせずにいる現状には、正直なところ強い違和感があります。
本来であれば、「これはおかしい」と感じた時点で、必要であれば法的手段を検討するのが自然な流れのはずです。 最終的に訴訟を起こすかどうかは、出資者ご本人の判断です。しかし、本件のように明らかに説明が回避され、時間稼ぎとしか思えない対応が続いている状況において、「何もしない」という選択が合理的であるとは言い難いでしょう。 問われているのは、確実性ではありません。 回収の可能性に向き合う意思があるかどうかです。 少なくとも、SNSやオープンチャットなどに広まっている根拠のない悲観論(回収はもう無理に決まっている)や、「どうせ無理だろう」という思い込みだけで、その可能性を自ら閉ざしてしまうべきではありません。
むしろ、いまこそ回収不能のリスクにも正面から向き合った上で、必要な行動を取るべき段階に来ていると言えます。
